Thinksmart・法律・財務・レッスン11 日本と異なる法律習慣
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ①
上海に投資をして
ビジネスを展開する第一の目的は
利潤を儲けることだと思います。
しかし、いくら儲けても、
現地の法律に違反して、
利益が全部没収され、
刑事責任になったりする場合、
投資の意味がなくなってしまいます。
中国ビジネスの法律習慣は
日本ビジネスの法律習慣と違う所があります。
それを無視して、
一方的に日本の習慣を指導概念として、
中国でビジネスを展開すると、
法律の穴に落ちる可能性が大きいです。
法律違反をしてしまった場合、
民事責任を負うだけで済むケースもありますし、
刑事責任まで負わなければならないケースもあります。
この区別が分からなければ、
不注意で刑事責任になる可能性もあります。
中国の法律は、だんだん改善されておりますが、
上海でビジネス展開をする場合、
基本的な法律概念がなければ、
なかなか危険な状態になると思います。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ②
まず、税務問題を重視しなければなりません。
中国の税金は国税及び地税2種類があります。
国税は国家(中央金庫)に納める税金です。
地税は現地政府に納める税金です。
もし税金問題を起こしたら、
国税違反は大きい問題になります。
刑事責任になる可能性は比較的に大きいです。
一方、地税違反は一般的な問題として捉えられます。
通常罰金だけで済みます。
主な国税は関税、増値税及び法人税(企業所得税)3種類です。
主な地税は営業税及び個人所得税2種類です。
関税、増値税及び法人税を処理する場合、
特に注意しなければなりません。
これらの税金に関する会社財務管理を徹底的に整理しましょう。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ③
外資企業の方々が一番する問題は、
増値税及び関税に関する問題です。
まず増値税のことを簡単に紹介します。
増値税のシステムは非常に複雑です。
しかし、中国でビジネスを展開するためには、
増値税の基本知識が必要不可欠です。
下記の例をご参考下さい。
A社の商品をB社に販売します。
商品の値段は10,000元です。
この場合、増値税の金額は
10,000元 x 17% = 1,700元 です。
そこで、B社はA社に11,700元を払います。
(商品代金10,000元+増値税の1,700元)。
A社はB社に11,700元の増値税専用インボイスを発行します。
B社にとって、この11,700元の増値税専用インボイスは “仕入れ増値税” です。
B社はA社から仕入れた商品をC社に販売します。
12,000元の値段で販売します。
この場合、増値税の金額は
12,000元 x 17% = 2,040元
よってB社はC社から14,040元を貰います
(商品代金12,000元+増値税の2,040元)
B社はC社に14,040元の増値税専用インボイスを発行します。
B社にとって、この14,040元の増値税専用インボイスは “販売増値税” です。
税務申告の時、
B社は下記の計算式 (説明の為、公式を簡単化にします)によって、
税務局に増値税を支払います。
販売増値税額 ― 仕入れ増値税額 = 増値税納付額
上の例でいくと
販売増値税額 ― 仕入れ増値税額 = 増値税納付額
2,040 元 ― 1,700 元 = 340 元 となります。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ④
増値税を計算する公式を見ると、
一番重要なのは「当期認められる仕入れ増値税額」です。
もし、認められない仕入れ増値税額を引かれると、、、、
問題になります。
例えば、
昨日のBlog を例にすると
B社がA社からもらった増値税専用インボイスが
税務局に認められない場合、
増値税の計算は下記の通りになります。
当期販売増値税額 ― 当期認められる仕入れ増値税額 = 当期増値税納付額
2,040人民元 ― 0元 = 2,040人民元
( ※ 1,700人民元の仕入れ増値税を認められないから )
このようなことは、
中国国内販売では
めったにあることではありません。
しかし、
取引相手が
広東
福建
などの省にある場合、
ちょっと注意しなければなりません。
もし、取引相手から
政府に認められない増値税専用インボイスをもらう場合、
当期増値税納付額から引くことはできませんので、
そのまま会社のコストになってしまいます。
上記の例では、
もし、B社がA社からもらった増値税専用インボイスが
税務局に認められる場合(これが通常なんですけど)、
増値税の計算は下記の通りになります。
当期販売増値税額 ― 当期認められる仕入れ増値税額 = 当期増値税納付額
2,040人民元 ― 1,700人民元 = 340人民元
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ⑤
昨日の例では、
A社からもらった増値税専用インボイスが
政府に認められない増値税専用インボイスである場合、
B社にとってコストが増えましたが、
刑事責任はありません。
( 納得はいかないと思いますし、
当たり前だろ、と思われると思いますが、、、)
しかし、現実の中国ビジネスで次にようなことがよく起こります。
B社はA社から商品を仕入れました。
B社はA社に商品代金及び増値税を払いましたが、
A社はB社に増値税専用インボイスを提供せず、
第三者(ここでは例としてC社)の
増値税専用インボイスをB社に提供しました。
つまり B社 にとって
1) A社と契約書を締結;
2) A社に支払います;
3) A社から商品を仕入れます;
4) なぜかC社の増値税専用インボイスを入手します;
この場合、
C社からもらった増値税専用インボイスが
政府に認められない増値税専用インボイスと判った場合、
B社に対して、
刑事責任
が発生するリスクがあります。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ⑥
増値税に関する処罰は厳しいです。
ごまかした税金の金額が
もし5万人民元以上になる場合は、
禁固3年以上の刑事責任があります。
前回の例では、
C社から受け取った増値税専用インボイスの金額が
300,000元とすれば、
ごまかした税金の金額が
300,000元 x 17% = 51,000元になり
この業務だけで、
刑事責任になる可能性がでてきます。
実際のビジネスでは、
300,000元の取引は
普通の取引金額と思います。
ですから、
増値税に関する管理は
慎重に行っていただけると
安心です。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ⑦
関税の対応も
慎重に行わなければなりません。
弊社の経験では、
関税によって問題が起こる状況は
下記の通りです。
1) 設備 の 輸入価格 を 実際の価格 より 過少申告 する
2) 商品 ( 原材料を含める ) の 輸入価格 を 過少申告 する
3) 「 保税原料 」 を 非保税原料 として使う
4) 免税輸入設備などに対して、監督期間を完了しない内に販売する
5) 加工貿易に関する諸問題
中国では関税に関する問題は
非常に厳しく処罰されます。
設備の輸入価格を過少申告して発見された場合、
ほかの国では、普通罰金で済みますが、
中国では、「密輸」と見なされ、
刑事責任になる可能性があります
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ⑧
免税設備の監督期間について
管理があいまいになってしまう企業様を
多くお見受けします。
通常、免税設備の監督期間は
5年間です。
期間が長いため忘れてしまった、
担当者の交代などなど
固定資産管理があいまいになってしまうと、
例えば、3年でこの設備を処理する時、
5年間の監督期間が
まだ完了していないことを
忘れてしまったりします。
もし監督期間の完了しない設備を
免税額度のない他社に販売して、
税務局に発見された場合、
罰金を納めなければなりません。
ひどい場合、
刑事責任になる可能性もあります。
関税に関する処理は
会社内部の在庫管理を
きちんと行った上で
専門家に事前に確認したほうが
安全です。
もし 「 密輸 」 と判断された場合、
中国の法律では、
関税の刑事責任は
罰金25万人民元 (日本円で370万円くらい)
です(※会社の場合)。
外資企業に対する免税措置など、
外資企業誘致のために、
様々な優遇策を打ち立ててきた政府です。
しかし外資企業の多くには
優遇措置ばかりに目が行って、
優遇措置の条件が崩れた場合等については
後からビックリすることが
多いようです。
レッスン11 上海ビジネス 日本と異なる法律習慣 ⑨
久々の更新になります。
旧正月などで更新が遅れてしまいました。
さて、引き続きのテーマ 「 日本と異なる法律習慣 」です。
商業賄賂も一つ重要な課題です。
現実の中国ビジネス社会では、
市場開拓する為
もしくは経営問題を解決する為に、
商業賄賂が非常に通常な手段として使われます。
しかし、法律上、商業賄賂に対して、
非常に厳しい規定があります。
賄賂を受ける方に対して、
賄賂を受け取る金額が5千元以上(7万5千円以上)であれば、
法律責任が発生する可能性はあります。
賄賂をする方に対して、
もし個人である場合、
累計金額が1万元以上(15万円以上)の場合、
3年以上の刑事責任になります。
もし会社である場合、
累計金額が20万元(300万円)である場合も、
3年以上の刑事責任になります。
レッスン11 今後の中国ビジネスに影響をもたらす法律変更 ①
06年度から、中国はいろいろな重要な法律変更を行っております。
公司法、証券法、個人所得税などさまざまな分野で改革をしております。
今回の全国人民代表大会では、一つ大きい話題について、審議されました。
これが外商投資企業及び中国内資企業の法人税問題です。
確かに、外商投資企業及び中国内資企業の法人税問題について、
人民元切り上げみたい以前から注目されているHOTな問題です。
なお、実行になるかどうか、いつ実行になるかについて結論には達しません。
しかし、今回の全国人民代表大会の正式議題になりました。
弊社の判断では、07年の1月から外商投資企業及び中国内資企業の
法人税の統一待遇実施になる可能性は極めて大きいと思います。
これについて、皆さまの中国事業(既存企業も含める)にとって、
非常に大きい影響をもたらすでしょう。
簡単に法律変更の内容をご紹介致します。
外商投資企業所得税及び国内企業所得税の統一
外商投資企業は国内企業に比べて、二つの方面の所得税優遇政策があります。
1) 法人税などの税率の優遇
例 : 外商投資企業が15%及び24%の優遇税率でも、国内企業は33%しかありません
2) 製造業の「二免三減半」
累計黒字年度から2年間は所得税免税、その後3年間は税額の50%のみ
先進型企業、輸出型企業の所得税優遇政策
奨励類の企業の設備輸入免税
再投資優遇政策など外商投資企業独有の優遇政策
もし、外商投資企業及び中国内資企業の法人税の統一待遇実施になると、
このような優遇政策がなくなってしまいます。