Thinksmart・法律・財務・レッスン10 上海で起業して株式公開する方法
レッスン10 上海で起業して株式公開する方法 ①
今、日本では成功のシンボルとして、【 起業 → 株式公開 → 億万長者 】ということが、日々マスコミを賑わしている友人からお話を聞きました。多くの若い起業家の方たちが、成功を夢見て新しい事業に挑戦されていると聞き、中国人もがんばろう!と刺激を受けております。しかしの中国では、まだまだ株式公開という目標よりも、【 自分の会社を設立する 】ということが、多くの若いビジネスマンの目標でしょう。
さて、今日からは 【 上海で起業して株式公開をする 】 というテーマを進めていきます。
まず、現在の中国株式市場。ここ数年、中国経済が著しく成長し、不動産の値段が経済成長率よりも高い成長率を続けるなど好景気でありましたが、中国の株式市場(上海、シンセン)が意外と低迷しております。
低迷している主な原因は下記の通りです。
1) 株式市場の詐欺事件がいくつかありましたが、それに対して政府は厳しい処罰を行いませんでした
2) 株式上場の目的が資金を集めるのみに集中し、集まった資金をいかにうまく利用して株主に
還元するという意識が欠けている企業が多くありました
3) よって株式市場に対する信頼感がなくなってしまいました
4) また、中国株には流通株と非流通株の区別あり、非流通株の流通化に対する不安感が
溢れております
5) 中国国内の優秀な企業はアメリカ、香港に上場することを目標としています
今では、中国の証券監理委員会もアメリカなどの監理経験を勉強して、いろいろな監理規定を
発表しました。厳しい監理によって株式市場に対する信頼感が回復すれば、中国の株式市場も
必ず経済の発展とともに発展するでしょう。
レッスン10 上海で起業して株式公開する方法 ②
やはり株式公開の話題については上海でもよく聞かれます。
しかし多くの経営者の方々は次のように思っているようです。
「 やっぱり中国で株式上場できれば、かっこいいですよね。だけど、外資企業が上場するのはプロセスが複雑で、時間もかなり掛かるのでしょ?冷静に考えると、僕ら(外国投資者)にとって、中国で上場するのは難しいと思います。 」
確かに、中国で上場することは難しいです。手続きも複雑で時間が長く掛かります。
しかし、ここで2つのポイント。
1) 外資企業の上場資格
中国で設立した外資企業(外商投資企業)に対して、上場することは法律で許されております。
(株式会社に転換する必要などがあります)
日系企業の中国子会社 、台湾企業の子会社が中国で上場した実例があります。
ですから、資格の面からみれば、問題はありません。
いわゆる上場は可能です、上場できないことはありません。
2) 中国上場の必要性
中国市場を狙ったビジネス競争が激化していますで、将来中国の市場で一歩リードした地位を獲得するために、低コストで人民元を調達する資金力が勝負のポイントの一つになると思います。人民元調達という資金面から見れば、上場の申請時間が長くても、上場するメリットはあるでしょう。
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ちょっと話しが横道に逸れますが、株式公開の話の前に、
まずは中国株式市場を簡単にご説明。
( 詳しい内容は中国株専門のサイトをご覧ください )
中国大陸証券市場は上海市場と深浅市場の2ヶ所があり、
それぞれの市場でA株及びB株2種類の株を取り扱っています。
A株は中国国籍の人及び中国の会社が投資できる株です。
外国籍の人及び外国の会社が直接A株を投資することはできません。
決済通貨は人民元になります。
B株は外国籍の人及び外国の会社も投資できる株です。
決済通貨は、上海市場はUSドル、深浅市場は香港ドル となります。
今、中国大陸証券市場は低迷が続いています。
長引く低迷のため政府も次々と対策を打ち出しておりますので、
そろそろ盛り上がってくるのではないとか見られています。
そのメインは A株。 もともと、B株は企業が外貨資金を集めることを目的に設定された株です。
すでに中国は外貨保有量がとてつもなく多くなってきておりますので、
わざわざB株で集める必要ななくなってきています。
ということで、今、A株が重要視されているのです。
ここで、こっそり豆知識をひとつ。
外国籍の人はA株に投資することはできませんが、
中国で設立された外資企業(外商投資企業)は、
直接A株に投資することができます。
それを上手く利用すれば、
外国籍の方でも直接A株に投資することはできます。
上海で起業して株式公開までかなり時間がかかるなぁと思われるのであれば、
その間中国の株に投資することは長期的に見れば魅力がある投資案かもしれません。
レッスン10 上海で起業して株式公開する方法 ④
中国本土市場の上場基準について確認してみたいと思います。
中国本土市場では、3年以上のビジネスストーリーがあり、
時価総額が5千万人民元以上であることなどが最低条件となりますが、
このうえで、国務院の証券管理部門、中国証券管理監督委員会の認可、
承認を得ることが必須となります
公募 : 既に国務院証券管理部門の認可のもとで公募を行っていること
承認 : 中国証券監督管理委員会の承認を得ること
時価総額基準 : 5千万元以上
市場流通総額基準 : 発行済株式数の25%以上
( 時価総額4億元以上の場合は、15%以上 )
株主数基準 : 1000元以上の保有株主が、1000人以上
ビジネスヒストリー : 3年以上のビジネスヒストリー
業績基準 : 申請時、過去3年連続黒字
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中国市場A株の上場条件は
(ちなみにB株上場はもう終了となりました)、
香港のメインボートの上場条件と比べた場合、こんな感じです。
メリットとしては、主に2点です。
業績基準は過去3年連続黒字のみです。
香港の場合、最近の1年の税引後利益は
2千万香港ドル(3億円)を超えなければなりません。
且つ、さらにその前の2年の累計税引後利益は
3千万香港ドル(4億5千万円)を超えなければなりません。
◆ A株のP/E比率が香港のメインボートのP/E比率より高いので
より多くの資金を調達できます。
なお、香港市場の場合、普通1年半~2年で上場できますが、
A株の場合、3-4年間がかかります。
A株の上場時間は香港よりずっと長いです。
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中国本土市場に上場することは、普通3年間の時間が掛かります。
香港の1年半、シンガポールの1年に比べると、確かに長いです。
では、どうしてそんなに長いのでしょう?
上場のステップはなんでしょうか?
1 上場の案を計画する
2 上場の要求に合う財務管理システムの構築
3 法律面の整理(例えば、ビジネスモジュールの整理)
4 「発起人」のアレンジ(中国の法律では5人必要、その中で、中国法人が半分以上必要)
5 有限公司から株式公司に変換(商務部の認可が必要)
6 上場推薦人資格がある専門会社から1年間の指導を受ける
7 募集資金用途に関する審査
8 証監会の審査(本人が証監会に行く必要があります)
9 上場
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中国ビジネスの特色の一つは、
法律の明文規定のほかに、
「暗規則」もあるという点です。
「暗規則」は非常に重要であり、
これを理解することが中国ビジネスの第一歩となります。
海外のお客様から
「法律規定に合う書類を提出したのに、
どうして許可がおりないのでしょう?」
と、よく相談を受けます。
この理由は大体が、
確かに法律の明文規定に合っているのですが、
「暗規則」に合っていないので、
許可がおりません。
外商投資企業(外資企業)は、
A株に上場時も、
「暗規則」を理解しなければなりません。
下記には、
外商投資企業の上場に関する
いくつかの「暗規則」をリストします。
純資産の金額は2億人民元前後がベスト。
純資産があまり大きくなると、逆に批准がおりません。
市場占有率が非常に重要です。
業界内トップに近い地位があれば、
比較的に上場の批准がもらいやすいでしょう。
◆ 外資企業は今のところ製造業しか上場できません。
サービス業、貿易業の会社は上場できません。
資金募集金額はあまり大きくなると、批准をもらいにくくなります。
ビジネスモジュールが重要です。
親会社など集団内部の会社(いわゆる関係会社)との
取引比率があまり大きくと、上場できません。
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上場までのスケジュールをスムースに進める為に、
経験のある弁護士と会計士でチームを組み、
進捗や審査に関する提出書類などについて
綿密に計画しなければなりません。
上場までのプロセスは映画の脚本のように、
大枠として9段階のステップに分けて計画します。
しかし、以外にも上場に対して綿密に計画せずに、
「脚本なしで演技する」 企業が少なくありません。
慌てて演技する結果、
上場できないとか、
時間が予定以上にかかってしまい、
ベンチャーキャピタルから
プレッシャーをかけられたり、、、
となってしまいます。
例えば、
英領バージン諸島などのオフショア地に投資会社を設立して、
その投資会社の資本で中国に会社を設立するケースがあります。
その中国の会社が上場する場合、
中国の有限公司を株式公司に変換する時、
政府部門から、
投資会社としてのオフショア会社に対する
「会社状況に関する弁護士意見書」が要求されます。
この場合、
手元にあるオフショア会社の登録書類だけでは、
資料不足のため
「会社状況に関する弁護士意見書」が発行できません。
必ず、オフショア会社を設立したときの司法書士を経由して
ほかの資料を請求しなければなりません。
そうすると、普通5-6ヶ月かかってしまいます。
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上海でクライアント様とお話をしていると
よく耳にすることなんですが、
中国に上場することはHONDA、松下など
世界的に有名な大会社が行うことであって
世界のトップ500社でもない私の会社は、
中国市場上場なんて関係はありません。
と、おっしゃる方がいらっしゃいます。
実は、一番上場の可能性がある外資企業は
下記の条件を満たしているような会社です。
進んだ技術を持っている
独立性を持つ
そこそこの規模がある製造業
日本の製造業は、
消費者に有名な大企業があり、
その大企業にパーツとして技術の高い製品を納めている
業界内では世界的有名な企業が多くあります。
そのような会社こそに可能性があり、
逆にHONDAなどの大企業は、上場しにくいようです。
今、中国の株式市場は底にあります。
今年及び来年は非流通株の流通化案 を進めております。
来年を目処として、非流通化問題を解決します。
その後、外資企業の上場も本格的に展開すると思います。